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供養の始まりは初詣から

 年明け、初めてのお参りを「初詣」といいます。これは神社に限らず、お寺もあります。

お寺の場合は、主に厄除けなどの祈願祈念を行う「お大師信仰」によるものだと云われています。

日本の習俗では、ご先祖様と歳神さまを同じように見立てて、これを正月と7月のお盆に当てはめていますが、正月は祈願、お盆は供養、とその趣を変えて生活の中の庶民文化としています。

一般的には、初詣の対象はその土地の「氏神」さまです。これは共同体の守護神でもあります。

私たちにとっては、家の神や屋敷神といわれる固有の神さまで、もう少し細かく言えば竈(かまど)の神さま、トイレの神さま、井戸の水神さま等々、生活の隅々に神さまがいらっしゃるということです。

それらを「地」のつながりとして「郷」(共同体の単位)で小さい祠に祀り、その集合を村の鎮守として神社でお祀りしてきました。そこへ詣でるわけです。

有名神社が初詣員数を競っています。暮れになると盛んにテレビでコマーシャルさえ流れます。

暮れの雰囲気を守り立てるにはいいですが、少しお軽薄さも感じます。
 
いまでは「家」という概念が希薄になり「私」という個人を生活の中心に置くような風潮ですが、戦後私たちの亡くしたものの筆頭に、家の仏壇と神棚をあげる人もいます。

けれども、レジャーでもなんでも、とにかくそろって初詣に行くという慣習だけで、何百万人の人々が、有名な神社や大寺院へ参詣する光景は、信仰や信心を超えた私たちの生活行為かもしれません。

こたつにあたって一杯飲んでいた方がいいのに。わざわざ寒くて組み合ったところに出向くなんで。ともってしまう自分も、生活観念の劣化の極みかもしれません。

地方の「映像」を見ていると、村の神さまという意識がまだまだ感じられます。

ともすれば、その土地の神社こそが、彼らのふるさとそのものの象徴かもしてません。

レジャーや娯楽、行楽においても、神社仏閣の見学や参詣は大きな観光要素です。

西洋の教会が観光資源とだけは言えないように、やはり私たちの魂に触れる感性がそこにはあるのだと確信します。

もう一歩踏み込めば、そこには「霊場」という場もあります。もうこれは端的に「死者と会う場」ですね。

遍路や巡礼がブームとか。何もこれは自然志向や健康意識だけではないでしょう。

理由やきっかけはともかく、霊性を感じられる場所に出向く事はいいことだと思います。

出稿:日本葬祭アカデミー教務研究室 二村祐輔

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