お別れのスタイル

葬儀と告別式の違い ①葬儀

 「お葬式」という言葉について考えてみましょう。

 「お葬式」という言葉は、「葬儀」と「告別式」の合成語と考えることが出来ます。

つまり「葬儀・告別式」を短縮して「葬式」ということです。丁寧に「お」をつけて「お葬式」。真ん中に「・」が入っていることにも注意してください。

あわせて「葬儀」という言葉も「葬送儀礼」の略語と考えてください。ですから葬儀とは 「儀礼」であり告別式とは「告別の式典」という、二つの構成を持ち合わせているものと理解するとよいでしょう。

  
さて、葬儀・告別式や葬式・あるいは葬祭といったような言葉は、私たちだけでなく僧侶や葬儀社までもが、まるで同義語のように、あいまいに使用しているのが現状です。

そのために「葬儀」と「告別式」という、本来、まったく異なった目的の行いごとを、同時に、しかも一連の行ないとして、一律に進行されている現状があります。

ここであらためて、葬儀と告別式の意味を理解していないと、お葬式そのものの意義や価値が、わからなくなってしまうと思うのです。

 英語では「儀礼」には「リチュアル(ritual)」という語を、「式典」には「セレモニー(ceremony)」という語をあてることが多いようです。

同じような作法や感覚がありますが、その対象がまったく違うことを理解しておきましょう。それがわかると、それぞれ行なう「目的」が見えてきます。

そうして、葬儀とは何か?「葬送儀礼」の略であると前述しました。葬送は遺体を葬地、埋葬地へ送ることで、習俗や慣例にそってそれぞれの風土環境によって葬法が異なります。

儀礼というのは、死者の霊魂に対しての行いごとで、民俗な呪術や仏教などの宗教によって作法づけられています。日本では仏教による葬儀とその後の供養が一般的です。

葬儀の概要は故人「魂」(魂・魄)の霊性(spiritual)に対処するもので、とくに仏教では「往生」や「成仏」、あるいは「極楽」「地獄」などの他界観がいろいろ入り混じって、素朴な民間信仰という形で伝承されてきました。

同時に「葬儀」では、その「たましい」から「遺された体」として、故人の亡骸、つまり「遺体」というものへ対応も儀礼として行ないます。

これは多くの人が実務的な対処であると思っていますが、儀礼として考えるような理解が求められます。

出稿:日本葬祭アカデミー教務研究室 / 二村祐輔

 

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